樹木希林の本がなぜ今なお人を惹きつけるのか?時代を超える人生論
樹木希林の本がなぜ今なお人を惹きつけるのか?時代を超える人生論についての疑問解決ガイドをお届けします。
樹木希林の言葉に宿る凄みは、彼女が日本映画界で築き上げた圧倒的なキャリアと不可分だ。とりわけ是枝裕和監督との長年にわたる師弟にも似た創作関係は、彼女の表現者としての深みを決定づけた。カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した映画『万引き家族』で見せた祖母・初枝役の演技は、世界中の映画ファンと批評家を唸らせた。
是枝監督の現場で彼女は、与えられたセリフをそのまま発するだけでなく、役柄の息遣いや背景、人間の業までも即興的に肉付けしてみせた。日本映画界のトップランナーとしてスクリーンに刻まれたその佇まいは、そのまま著書の行間からもにじみ出ている。役者として人間の闇も光も覗き込んできたからこそ、彼女の語る言葉にはウソがなく、一言一言が深い説得力を持って読者の心に突き刺さるのだ。