美女と野獣原作の残酷な真相|ディズニー版との違いと姉の末路

話題沸騰中の 美女と野獣原作の残酷な真相|ディズニー版との違いと姉の末路について、主要な情報を分かりやすく掲載しています。

ディズニー版のベルは「読書好きで自立心に富む、平民の町娘」として描かれます。しかし、ヴィルヌーヴ夫人の原典において明かされるベルの正体は、まったく異なります。彼女は最初から商人の実の娘ではなく、「人間の国王」と「高貴な妖精」の間に生まれたハーフの王女だったのです。

ヴィルヌーヴ版の後半では、物語全体の約3分の1を費やして、ベルと野獣双方の家系にまつわる壮大なバックストーリーが語られます。それによると、妖精界には「人間と妖精の婚姻を禁じる掟」が存在していました。身分違いの恋に落ちたベルの母(妖精)は掟を破った罪で妖精裁判により幽閉され、赤ん坊だったベルも命を狙われることになります。善意の妖精の手によって、ちょうど同じ時期に末娘を病気で亡くしていた大商人のもとへ預けられ、身代わりの娘として育てられたのがベルの真の出自でした。

一方、野獣が呪われた理由も、ディズニー版の「思いやりのない傲慢な王子が老婆を拒んだから」というシンプルな教訓話ではありません。原典に登場する王子は、幼くして父王を亡くし、母后が国の防衛戦争に出征している間、ある「老妖精」に後見人として預けられていました。

王子が美しく逞しい青年へと成長したとき、その老妖精は醜悪な色情を抱き、あろうことか養子同然に育てた王子に対して「私の夫になれ」と求婚します。王子が激しい嫌悪感とともにその要求を拒絶したため、プライドを傷つけられた老妖精は逆上。「私の愛を受け入れないのなら、世界で最も醜く恐ろしい怪物の姿となり、知性まで奪われて知性を失った獣として生きるがいい」と呪いをかけたのです。

さらに呪いの解除条件として「誰かが王子の真価を見抜き、怪物としての求婚を受け入れなければ解けない」という極めて理不尽な縛りが課されました。つまり、野獣自身に重大な倫理的過失があったわけではなく、権力を持った歪んだ大人の性的な執着の犠牲者だったのです。

王子の母后は当初、呪いが解けた後も「平民の商人の娘など王太子の妻にふさわしくない」とベルとの結婚に猛反対します。そこで善の妖精が割って入り、ベルが由緒正しき国王と妖精の血を引く真の王女であることを証明したことで、ようやく結婚が認められます。18世紀の貴族階級における「身分秩序(貴賤結婚の忌避)」という強烈な現実が、ファンタジーのオブラートに包まれつつも容赦なく露呈している場面です。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest