マンションは何年住める?47年寿命説の嘘と100年耐えうる真実

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マンションが物理的寿命を迎える前に住めなくなる最大の引き金は、コンクリートの崩壊ではなく「管理組合の財政破綻」と「合意形成の不全」です。この社会的限界こそが、現代日本の区分所有建物を脅かしている最大の闇と言えます。

第一の壁が、全国的な修繕積立金の不足問題です。国土交通省のマンション総合調査によると、全体の3割以上の管理組合で計画通りの積立金が集まっておらず、資金不足に陥っています。特に築40年を超えると、外壁補修だけでなく給排水管の全面更新、エレベーター設備の刷新、機械式駐車場の撤去・改修など、億単位の支出が重なります。昨今の建設資材および熟練技術者の人件費高騰が追い打ちをかけ、従来の積立金設定では次回の工事費用が2倍近くに跳ね上がる事例が相次いでいます。不足分を補うために「1戸あたり150万〜200万円の一時金徴収」が決議されようものなら、年金暮らしの高齢世帯が支払いを拒否し、必要な修繕が先送りされてスラム化への坂道を転がり落ちることになります。

第二の壁が、マンション建て替えの限界です。「古くなったら建て替えればいい」という甘い見通しは、現代の都市部では完全に幻想と化しています。かつて建て替えが円滑に進んだ物件は、敷地に余裕があり、古い建物の数倍の規模を新築して余剰住戸を外部に売却することで、住民の自己負担金をゼロあるいは格安に抑えられた例外的なケースに限られます。

現行法規の容積率上限いっぱいに建てられている大多数のマンションでは、新たに生み出せる余剰住戸がありません。建て替えを選択する場合、既存建物の解体費用と新築工事費をすべて既存住民が自己負担しなければならず、マンションの建て替え費用は1戸あたり2,500万〜4,000万円超に達します。80代前後の高齢住民に対して「老後の生活資金を全額投じて数千万円を拠出しろ」と迫っても、区分所有法が定める4/5以上の賛成を取り付けることは構造的に不可能です。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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