お盆の送り火はいつ焚く?15日と16日の真相や時間帯・作法を解説
お盆の送り火はいつ焚く?15日と16日の真相や時間帯・作法を解説の疑問点について、専門知識を取りまとめてご紹介します。
送り火の時期になると、ネット上や親族間で行き違いが起こりやすい2大トピックが存在します。それが「浄土真宗における送り火の是非」と「精霊馬・精霊牛を片付ける正確なタイミング」です。
まず、日本で最大の門徒数を誇る仏教宗派の一つである浄土真宗では、迎え火も送り火も原則として行いません。これを知らずに「なぜ親戚の家は送り火をしないのか」と疑問を抱く人が少なくありません。浄土真宗の根本教義では、阿弥陀如来の本願力によって亡くなった人は直ちに極楽浄土へ往生し仏となる「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」が説かれます。したがって、霊魂がこの世とあの世を往復するという考え方自体が存在せず、「お盆の時期だけ家に霊が帰ってくる」という前提を持ちません。浄土真宗におけるお盆(歓喜会=かんぎえ)は、先祖の霊をもてなす儀礼ではなく、すでに仏となった先祖をご縁として阿弥陀如来の慈悲に感謝を捧げる仏事であるため、道標としての火を焚く必要がないのです。
次に、キュウリとナスに割り箸や爪楊枝を刺して作る「精霊馬(しょうりょううま)」と「精霊牛(しょうりょううし)」の取り扱いにも明確な作法があります。キュウリの馬は「先祖の霊が早く家に帰ってこられるように足の速い馬」、ナスの牛は「供物をたくさん積んで、景色を名残惜しみながらゆっくり帰れるように歩みの遅い牛」を象徴しています。
この精霊馬と精霊牛を片付ける正確なタイミングは、送り火を焚き終えた直後、または送り火当日の夜です。先祖をお送りした後はその乗り物も役目を終えるため、盆棚から下げます。かつては川や海に流す「精霊流し」が行われていましたが、河川汚濁防止の観点から現代では環境への配慮が不可欠です。役目を終えた野菜は、決して食用に回さず、白い紙の上に置いて清めの塩を一振りし、感謝を込めて包んだ上で一般ごみとして適切に処分するのが現代における正しいマナーとされています。