あやめ・花菖蒲・かきつばたの違いは?花びらと場所で見分ける決定版
あやめ・花菖蒲・かきつばたの違いは?花びらと場所で見分ける決定版についての疑問解決ガイドをご紹介します。
日本人の多くが混同しやすい最大の原因が、「菖蒲湯に入れるショウブ」と大輪の花を咲かせる「花菖蒲(ハナショウブ)」の混同です。名前は似ていますが、生物学的には科のレベルから異なる完全に別の植物です。
5月5日の端午の節句で湯船に浮かべる「ショウブ(白菖)」は、アヤメ科ではなくショウブ科(旧分類ではサトイモ科)ショウブ属に属します。葉の形が花菖蒲に似ていることから「菖蒲」の名が共有されていますが、ショウブの根や茎・葉には「アサロン」「オイゲノール」といった精油成分(芳香成分)が豊富に含まれており、ちぎると強い薬草の香りが立ち上ります。
ショウブの花は、花菖蒲のような華麗な花びらを一切持ちません。サトイモやミズバショウのように、棒状の軸に小さな黄緑色の粒々が集まった「肉穂花序(にくすいかじょ)」という地味な形態をとります。古来、中国や日本で端午の節句に用いられてきたのは、この強い芳香に邪気を払う薬効があると信じられたためです。
一方、私たちが初夏に菖蒲園で鑑賞している「花菖蒲」は、ノハナショウブを原種として江戸時代以降に園芸品種として発展したアヤメ科の植物です。花菖蒲の葉をお風呂に入れても独特の清涼な芳香や薬効は得られませんので注意してください。