白菜浅漬けの食中毒はなぜ起きる?O157の脅威と防ぐための安全対策
白菜浅漬けの食中毒はなぜ起きる?O157の脅威と防ぐための安全対策について知っておくべき 事実を分かりやすく解説いたします。
浅漬けのリスクを語る上で風化させてはならないのが、2012年8月に北海道札幌市などで発生した白菜浅漬けによる集団食中毒事例です。高齢者施設を中心に169名が発症し、8名が尊い命を落とすという極めて痛ましい惨事となりました。
この事件で検出された病原体は腸管出血性大腸菌O157でした。厚生労働省や自治体の詳細な調査によって明らかになった主な原因は、製造工程における白菜浅漬けの次亜塩素酸ナトリウムによる消毒・殺菌の不備でした。白菜を殺菌水に浸漬する際、白菜の量が多すぎて十分な塩素濃度が保たれておらず、菌を完全に死滅させられないまま出荷されてしまったのです。
この事故を契機に、国は「漬物の衛生規範」を大幅に改正しました。市販の浅漬け製造現場では、有効塩素濃度100ppm以上の次亜塩素酸ナトリウム溶液に10分間浸漬するなどの厳格な洗浄・殺菌基準が義務付けられ、業界全体の安全管理は大きく進化しました。しかし、どれほど基準が強化されても、家庭内調理や小規模加工場での油断があれば、同様のリスクは常に隣り合わせに存在しています。