猛毒フッ化水素が半導体に不可欠な理由|骨を溶かす危険性と最新動向
猛毒フッ化水素が半導体に不可欠な理由|骨を溶かす危険性と最新動向の見逃せないポイントを一挙に解説しました。
これほどの猛毒でありながら、世界のハイテク産業がフッ化水素を使い続ける理由は、「最先端半導体の製造工程において、原子レベルの加工を完璧にこなせる物質が他に存在しないから」です。
半導体チップは、シリコンウエハーの上にナノメートル単位の微細な電子回路を幾層にも積み上げて作られます。この製造工程でフッ化水素が担う中核業務は主に2つあります。
第1に、回路パターンを削り出す「エッチング工程」です。フッ化水素はシリコン表面に自然形成される不要な酸化膜(二酸化ケイ素)だけを選択的に溶かし去り、下地のシリコン本体にはダメージを与えないという卓越した選択比を誇ります。
第2に、異物や不純物を極限まで排除する「ウエハー洗浄工程」です。回路線幅が2ナノメートルや1.4ナノメートルに達する極微細な世界では、目に見えない微粒子や数個の原子レベルの酸化物が付着しているだけで回路がショートし、チップ全体が不良品になります。フッ化水素酸を用いた超精密洗浄により、歩留まり(良品率)を劇的に引き上げることが可能になります。