韓国史上最悪の人権侵害「兄弟福祉院事件」国家の罪と消えぬ傷痕
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収容所内部を支配していたのは、院長の朴仁根(パク・イングン)である。軍隊式の階級制度を取り入れた施設内では、被収容者たちを小隊や中隊に分け、元暴力団員や古参の収容者を管理役に据えて暴力で全体を統率させた。毎日のように凄惨な私刑が繰り返され、反抗的な態度は激しい暴行によって即座に叩き潰された。
朴仁根は単なる施設管理者ではなかった。被収容者を無償の建設作業や工場労働に駆り出し、莫大な富を築いた事業家でもあった。さらに政府から支給される多額の国庫補助金を着服し、海外に資産を隠し持っていた。当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)軍事政権は、このような強制隔離政策を「社会浄化の模範」と称賛し、朴仁根に勲章まで授与していた。国家のトップと施設経営者ががっちりと手を握り、暴力を正当化する構造が出来上がっていた。