肺炎の死亡率はなぜ高い?高齢者を脅かすリスクと急変を防ぐ最新対策
肺炎の死亡率はなぜ高い?高齢者を脅かすリスクと急変を防ぐ最新対策とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を簡潔に解説します。
年齢別の肺炎死亡率の推移を見ると、そのカーブは65歳を境に急激な上昇曲線を描きます。80代、90代と年齢が上がるにつれて致死率は指数関数的に跳ね上がり、基礎疾患(糖尿病、慢性閉塞性肺疾患=COPD、心不全、腎不全など)を抱えている場合はさらに危険度が増します。
高齢者の肺炎が恐れられる最大の理由は、「昨日まで普段通りに会話していた人が、翌日に突然呼吸不全へ陥る」という急変の多さです。急変が生じる主なメカニズムには以下の要素が絡み合っています。
第一に、加齢によって肺胞の弾力性や気道粘膜の線毛運動が低下し、病原体を外部へ排泄する「喀痰反射」が機能しにくくなります。第二に、免疫細胞の応答速度が鈍化しているため、自覚症状が出ないまま肺の深部で細菌が爆発的に増殖します。その結果、本人が異変に気づいた段階ではすでに両肺に広範な浸潤影が広がり、急激な低酸素血症からショック状態に陥ってしまうのです。