なぜ足がふらつく?壊れたエスカレーター現象の正体と脳の驚きの錯覚
なぜ足がふらつく?壊れたエスカレーター現象の正体と脳の驚きの錯覚とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。
壊れたエスカレーター現象は、認知心理学における「二重過程理論(意識と無意識の並列処理)」を説明する格好のモデルケースとしても知られています。
人間の認知システムは、論理的・分析的に物事を判断する「意識的処理(システム2)」と、直感的・反射的に身体を動かす「無意識的処理(システム1)」に分かれています。「エスカレーターの電源が切れている」と認識するのはシステム2の仕事ですが、歩行やバランス保持といったミリ秒単位の姿勢制御を司るのは圧倒的に処理速度の速いシステム1です。
エスカレーターの黄色い枠線や手すり、特有の金属ステップという強烈な環境の手がかり(アフォーダンス)を目にした瞬間、システム1がシステム2の論理的判断を追い越し、体が勝手に「乗車モード」へとシフトしてしまいます。この無意識下の姿勢制御の自動性こそが、私たちがいくら警戒していてもふらつきを完全に防ぐことが難しい心理学的・行動科学的な理由です。