「負け犬」から家族論へ。酒井順子が暴く現代社会と女性のリアル
「負け犬」から家族論へ。酒井順子が暴く現代社会と女性のリアルにまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。
彼女の代表的な仕事の一つが、両親と兄の死を見届け、実家というシステムが物理的にも精神的にも消滅していく過程を描いた『家族終了』だ。この作品は、単なる私小説的エッセイを超え、近代家族という制度が終焉を迎えつつある日本社会への極めて優れた社会批評として高く評価された。
「家」の存続や「血縁」の呪縛から解放されたとき、人間は何を拠り所に生きるべきなのか。湿っぽさを徹底的に排除した文体は、誰しもに訪れる親の看取りや単身生活へのリアルな処方箋となった。自らを「家制度のしんがり」と位置づける姿勢には、哀愁とともに清々しい独立心が宿っている。