ナウシカの曲全真相!主題歌が劇中で流れない理由とランララの正体
ナウシカの曲全真相!主題歌が劇中で流れない理由とランララの正体にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
映画中盤、幼き日のナウシカが小さな王蟲を庇いながら「お父様、お願い、殺さないで!」と泣き叫ぶ回想シーン、そしてクライマックスで暴走を止めて倒れたナウシカの亡骸を王蟲たちが金色の触手で持ち上げ、奇跡の復活を遂げる名場面。そこで流れる「ラン、ランララ、ランランラン…」という切なく純真なスキャットは、観客の涙腺を刺激してやみません。
この『ナウシカ・レクイエム』で無垢な歌声を披露している人物こそ、作曲家・久石譲氏の長女である藤澤麻衣(現:麻衣)さんです。収録当時の年齢は、わずか4歳でした。
特筆すべきは、これが最初から彼女を起用する計画ではなかったという点です。制作当時、久石氏は自宅の作業部屋でデモテープ(仮音源)を作成していました。翌日の打ち合わせに提出するため、メロディラインをわかりやすく伝える仮歌が必要となり、「ちょっとおいで」と手元にいた4歳の娘に歌わせたといいます。
翌日、スタジオでそのデモテープを聴いた高畑勲プロデューサーと宮崎駿監督は息を呑みました。プロの児童劇団や合唱団の子役では決して表現できない、ピッチ(音程)の微妙な揺らぎや、あどけなさに潜む神秘的な寂寥感。これこそが、命の循環と悲哀を背負うナウシカの世界にふさわしいと即決され、スタジオで録り直すことすらなく、自宅で録音されたカセットテープのテイクがそのまま本編のマスター音源に採用されたのです。
歌唱を担当した藤澤麻衣さんはその後、音楽大学へ進学して本格的な声楽を学び、現在は歌手「麻衣」として国内外で精力的に音楽活動を続けています。2011年の映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の劇中歌ソロや、父・久石譲氏が手がけるワールドツアーのオーケストラコンサートでもゲストシンガーとして登壇。40年の時を経て成熟した歌声で『ナウシカ・レクイエム』を歌い継ぎ、世界各国の聴衆を熱狂させています。