つんく♂の声が出ない理由と現在|声帯摘出からAi歌声再現までの全貌

つんく♂の声が出ない理由と現在|声帯摘出からAi歌声再現までの全貌に関する専門家の意見を詳しく解説いたします。

つんく♂氏の声が出ない根本的な理由は、喉頭がん(こうとうがん)治療のために声帯を全摘出したことにあります。異変の始まりは2014年2月、長引く喉の違和感と声のかすれを訴えて精密検査を受けた際、初期の喉頭がんが発見されたことでした。

当時、歌手でありプロデューサーである彼にとって、喉はまさに「命そのもの」でした。当初は放射線治療と抗がん剤治療を組み合わせた集約治療を選択し、一度は同年9月に「完全寛解(がんが消滅した状態)」が発表されました。しかし、わずか翌月の10月にがんの再発が判明します。医師から提示された選択肢は、命を最優先にするための「喉頭全摘出手術」でした。

自著や当時の特番インタビューにおいて、つんく♂氏は「一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました」という壮絶な葛藤を告白しています。妻から「生きてほしい。あなたがいてくれれば、声がなくても家族は幸せだから」と涙ながらに背中を押されたことが、声帯を手放す決定打となりました。手術は2014年10月下旬に無事終了し、物理的に発声器官である声帯そのものが切除されたのです。

日本中が涙した近畿大学入学式でのサプライズ公表

声帯摘出の事実は、すぐには公表されませんでした。世間がその衝撃的な真実を知ったのは、2015年4月4日に行われた母校・近畿大学の入学式でのことです。プロデュースを手がけたステージの大型スクリーンに、彼自身がタイピングしたメッセージが映し出されました。

「なぜ、今、私は声が出ないのか? それは喉頭がんという病気で、声帯を摘出したからです。一番大事にしてきた声を捨て、生きる道を選びました」

会場の新入生のみならず、ニュースを通じて日本中が息を呑み、深い感動と衝撃に包まれました。ボーカリストとして天賦の才を誇った彼が、自らのアイデンティティであった「声」を手放してなお、前を向いて若者たちにエールを送る姿は、今なお語り継がれる名場面となっています。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest