心電図の「陰性T波」は危険?放置Ngの理由と疑われる心臓疾患
心電図の「陰性T波」は危険?放置Ngの理由と疑われる心臓疾患に関する知りたいポイントを初心者にも親しみやすくまとめました。詳細を読もうことができます。
心電図は、心臓がリズミカルに拍動する際に発生する微弱な生体電気信号を波形として記録したものです。一回の心拍は主に「P波(心房の収縮)」「QRS波(心室の収縮)」「T波(心室の拡張・回復)」で構成されています。通常、成人の心電図においてT波は上向きの凸型(陽性T波)を示しますが、これが下向きの凹型に反転した状態を陰性T波(T波逆転)と呼びます。
なぜ波形が反転するのか、その最大の理由は心筋細胞が電気的に興奮した状態から元に戻る「再分極」プロセスの時間差やバランスの乱れにあります。正常な心臓では、心臓の外側(心外膜側)から内側(心内膜側)へと順番に回復していきます。しかし、何らかの理由で血流不足や筋肉の肥大が生じると、回復の順番が逆転したり異常な遅延が発生したりして、電気ベクトルの向きが反転し下向きの波形として記録されるのです。
心電図には手足につける「四肢誘導(I, II, III, aVR, aVL, aVF)」と胸につける「胸部誘導(V1〜V6)」の計12誘導があります。どの誘導で陰性T波が出現しているかによって、心臓のどの部位に異常が生じているかを推定できます。例えば、前壁中隔を見る胸部誘導 V1 V6のうち、V1やV2では健常者でも下向きになることがありますが、V4〜V6の左室側で深い陰性T波が見られる場合は病的な意義が一気に高まります。これらは心筋虚血 ST-T変化の代表的なパターンとして臨床現場で極めて重視されます。