年齢のせいと諦める前に!卵子の質を上げる決定打と胚盤胞到達の秘訣
年齢のせいと諦める前に!卵子の質を上げる決定打と胚盤胞到達の秘訣の全体像を分かりやすくまとめてご紹介します。
卵子の質を論じる上で、決して避けて通れない主役が「ミトコンドリア活性化」です。一般的な体細胞には数百〜数千個のミトコンドリアしか存在しませんが、成熟したヒト卵子には10万〜40万個ものミトコンドリアが密集しています。これは生体内で最も高い密度であり、受精と初期発生という極めて過酷な生体反応を支えるための生命維持装置といえます。
しかし、30代後半から40代にかけて、ミトコンドリアの膜構造は酸化ダメージによって変性し、ATPの産生効率が著しく低下します。さらに、細胞内で発生する活性酸素(ROS)を消去する抗酸化酵素の力も年齢とともに減退していきます。この「エネルギー枯渇」と「酸化ダメージ」の連鎖を断ち切るために、国内外の生殖バイオロジー研究で最重要視されているのがコエンザイムQ10(還元型CoQ10)です。
さらに、近年注目を集めているのが「糖化ストレス(AGEs:最終糖化産物)」の脅威です。血中の余剰な糖がタンパク質と結合して生成されるAGEsは、卵巣組織の線維化を引き起こし、卵胞周囲の毛細血管を脆弱化させます。不妊治療患者を対象とした臨床研究でも、血中および卵胞液中のAGEs濃度が高い群では、受精率および胚盤胞到達率が有意に低下することが確認されています。つまり、糖化と酸化ストレス対策を同時に講じることこそが、卵子の老化を防ぐ方法の根幹を成しているのです。