戸田パブリック閉鎖の真相と跡地の今|復活の可能性と代替コース

戸田パブリック閉鎖の真相と跡地の今|復活の可能性と代替コースの全貌を丁寧に掘り下げてご紹介します。

戸田パブリックゴルフコースが営業終了を余儀なくされた決定的な発端は、2019年(令和元年)10月に東日本を直撃した台風19号(令和元年東日本台風)でした。この台風は荒川流域に観測史上最大級の降雨をもたらし、下流の首都東京・埼玉県南部を洪水被害から守るため、荒川第一調節池(彩湖)へ過去最大規模となる約3,500万立方メートルの洪水調節が行われました。

当時、戸田パブリックゴルフコースが存在していた河川敷エリアは、濁流に完全に呑み込まれました。コース全体が数メートルにおよぶ泥水に水没し、フェアウェイやグリーン上には大量の流木、ヘドロ、生活ごみが堆積。クラブハウス機能の喪失にとどまらず、芝生の全面枯死や地形の侵食など、壊滅的な打撃を受けたのです。

報道関係資料や河川管理者関係者の取材によると、現場の被害総額はコース造成のやり直しを含めて数億円規模に上ると試算されました。しかし、営業終了に至った決定打は単なる復旧費用の多寡だけではありません。荒川の河川敷は本来、国土交通省が管轄する国有地であり、洪水を安全に流下・貯留させるための「高水敷(こうすいしき)」としての機能が最優先されます。近年の気候変動に伴う線状降水帯の多発や台風の巨大化を受け、国と自治体が進める治水安全度向上の基本方針と、民間営利施設としてのコース復旧は根本から衝突することとなりました。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest