三島由紀夫賞とは?芥川賞との決定的な違いや歴代受賞作・選評を総括

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三島由紀夫賞を語る上で欠かせないのが、文芸誌『新潮』に掲載される選評まとめの熱量です。妥協を許さない作家・批評家が選考委員を務めるため、選考会はしばしば意見が真っ向から対立する激論の場となります。

第1回の選考では、後に世界的ベストセラーとなる吉本ばなな『キッチン』が候補入りし、激しい議論が巻き起こりました。既成の純文学の枠に収まらない新世代のポップな感性をめぐって選考委員の間で評価が二分され、最終的に受賞を逃した経緯は、選考基準の厳しさを物語る歴史的エピソードとして語り継がれています。

また、覆面作家として一切顔を出さなかった舞城王太郎氏の選考時にも、審査員の熱狂と戸惑いが選評に生々しく記録されました。「文句なしの傑作」と絶賛する委員と「暴力描写と文体に倫理的疑問がある」とする委員との間で火花が散り、結果的に文学の新しい扉をこじ開けた受賞となりました。

選考委員一覧には、筒井康隆氏、福田和也氏、川上弘美氏、町田康氏、平野啓一郎氏、松浦寿輝氏など、錚々たる顔ぶれが名を連ねてきました。時に候補作への批判にとどまらず、他の選考委員の読みの甘さを辛口で指弾し合うスリリングな選評の攻防は、純文学ファンにとって必読のドキュメントとなっています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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