即位の礼とは?大嘗祭との違いや費用・世界の反響まで儀式の全貌を解説
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「即位の礼」を一言で表すならば、天皇陛下が皇位を継承したことを公に示すための一連の儀礼です。皇室典範第24条には「皇位の継承があつたときは、即位の礼を行う」と簡潔に定められています。しかし、これは単一の儀式を指す言葉ではありません。憲法第7条に定められた「国事行為」として行われる複数の厳粛な儀式の総称です。
平成および令和の御代替わりにおいて、政府の基本方針に基づき国事行為として位置づけられた即位の礼は、以下の5つの儀式から成り立っています。
- 剣璽等承継の儀(けんじとうしょうけいのぎ):皇位継承の当日、皇居宮殿「正殿・松の間」で三種の神器のうち剣と璽(じ=勾玉)、ならびに国璽・御璽を引き継ぐ儀式。
- 即位後朝見の儀(そくいごちょうけんのぎ):即位後、天皇陛下が三権の長(内閣総理大臣、衆参両院議長、最高裁判所長官)をはじめとする国民の代表と初めて公式に対面される儀式。
- 即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ):即位の礼の中核。宮殿「松の間」に据えられた高御座から、国内外の代表へ即位を直接宣言される儀式。
- 祝賀御列の儀(しゅくがおんれつのぎ):即位礼正殿の儀ののち、広く国民に即位を披露し、祝福を受けるためのオープンカーによる祝賀パレード。
- 饗宴の儀(きょうえんのぎ):即位を披露し、国内外の賓客をもてなす公式の祝宴。
ここで多くの読者が抱く最大の疑問が、「大嘗祭との違い」です。メディアでも連日大きく報じられるため同一視されがちですが、憲法上の位置づけと儀式の性質は明確に分かれています。
即位の礼が「即位した事実を天下に公表・披露する公的な儀礼」であるのに対し、大嘗祭は「即位後に新天皇が初めて行う新嘗祭(にいなめさい)」であり、皇祖神である天照大御神や天神地祇(てんじんちぎ)に新穀を供え、自らも食して国家の安寧と五穀豊穣を祈念する純然たる皇室の宮中祭祀(私的儀式)です。大嘗祭には深い宗教的背景が存在するため、政教分離を定めた日本国憲法との整合性を考慮し、国事行為ではなく皇室の行事として執り行われ、その費用は宮廷費(皇室の公的活動費)から支出されるという厳格な線引きがなされています。
また、即位の礼日程と祝日の経緯にも特有の法的手続きが存在しました。令和の改元日は2019年5月1日でしたが、中核儀式である「即位礼正殿の儀」が執り行われたのは約半年後の10月22日でした。この日は準備期間の確保と国際的な賓客の招待スケジュールを考慮して設定され、国民全体で祝意を表するため、特別な法案(祝日法適用法案)の可決を経て「当年限りの祝日(休日)」として運用された経緯があります。