稀代の悪女エレナ・チャウシェスクの生涯|学歴詐称と銃殺刑の真相
稀代の悪女エレナ・チャウシェスクの生涯|学歴詐称と銃殺刑の真相の全体像を分かりやすくまとめてご紹介します。
エレナ・チャウシェスクを象徴する最大の闇が、国家規模で捏造された「世界的科学者」という肩書です。彼女は高分子化学の世界的権威を自称し、国立化学研究所(ICECHIM)の所長に就任。国内外で多数の学術論文や専門書を自らの名義義で発表しました。
しかし、その内実は完全な学歴詐称とゴーストライターによる代筆でした。元素記号すら正確に読めず、基本的な化学式すら理解していなかったエレナのために、ルーマニア国内の優秀な科学者たちが秘密警察(セクリターテ)の監視下で強制的に論文を執筆させられていたのです。真の執筆者たちの名前は抹消され、すべての功績がエレナの栄誉へとすり替えられました。
さらに夫妻は、西側諸国への公式訪問や外交取引を利用し、各国の大学や学会に対してエレナへの名誉博士号や特別会員資格の授与を強要しました。拒否すれば外交問題に発展することを恐れた一部の機関がこれに応じた結果、彼女の権威付けは国際的にも補強されていきました。異を唱えた本物の科学者たちは容赦なく投獄されるか左遷され、ルーマニアのアカデミズムは長期間にわたり壊滅的な打撃を受けました。