ヌートリアとは?カピバラとの違いや特定外来生物の危険性を徹底解説

ヌートリアとは?カピバラとの違いや特定外来生物の危険性を徹底解説について分かりやすく解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

愛くるしい仕草とは裏腹に、ヌートリアが社会環境にもたらすリスクは極めて深刻です。農林水産省の統計資料等によると、野生鳥獣による農作物被害額のうち、ヌートリアによる被害は西日本を中心に年間数千万円規模で推移しています。被害の実態は大きく分けて次の3点に集約されます。

1. 農業被害の激甚化
ヌートリアは完全な草食性で、水稲の苗や稲穂、レンコン、ニンジン、サツマイモ、キャベツ、ハクサイなどを手当たり次第に食い荒らします。特に水生植物を好むため、水田の苗を踏み倒しながら食害するほか、高級ブランド野菜の産地でも深刻な収穫減をもたらしています。

2. 治水安全性の脅威(堤防・あぜ道の崩壊)
水辺の土手に直径30cm、奥行き数メートルから十数メートルに及ぶ大規模な巣穴(トンネル)を掘る習性があります。この掘削行動により、水田のあぜ道が決壊して水が抜けるだけでなく、大雨や台風時に河川堤防の内部が空洞化し、決壊リスクを跳ね上げるという治水上の重大な危険を引き起こしています。

3. 感染症と咬傷事故の危険性
野生のヌートリアは多種多様な病原菌や寄生虫を保有しています。

  • レプトスピラ症:尿を介して水中に排出され、人間が傷口や粘膜から感染すると発熱や黄疸、重篤な腎不全を引き起こす危険な人獣共通感染症。
  • サルモネラ菌・大腸菌群:排泄物による水質汚染や消化器疾患の原因。
  • ヌートリア皮膚炎(セルカリア皮膚炎等):体表に寄生する吸虫の幼虫により、接触した人間に激しい痒みや発疹を引き起こす。

さらに、発達した強靭な前歯は木の枝を容易に噛み切る破壊力を持っています。不用意に近づいたり手を出したりした子供やペットが噛まれ、大怪我を負う事故も報告されています。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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