日本発の113番元素に隠された執念と未来へ繋ぐ新展開の全貌
日本発の113番元素に隠された執念と未来へ繋ぐ新展開の全貌の注目ポイントを分かりやすくまとめてご紹介します。
発見の舞台となったのは、理化学研究所の仁科加速器科学研究センターである。研究を率いた森田浩介グループリーダー(現・九州大学特別主幹教授)らは、亜鉛(原子番号30)の原子核をビスマス(原子番号83)に衝突させ、融合させるという途方案外な実験に着手した。
実験に使われたのは、世界最高レベルのビーム強度を誇る理研線形加速器 (RILAC)だ。しかし、原子核同士が反発し合わずに融合する確率は数兆分の1以下。実験を開始してから最初の1原子が合成されるまで、実に2年以上の歳月を要した。その後も粘り強く照射を続け、確固たるデータを揃えるまでに9年もの月日が費やされた。諦めない執念が実を結び、最終的に国際純正・応用化学連合 (IUPAC)によって新元素として正式認定されたのだ。