美女の肉体が腐敗する衝撃…九相図に遊女が描かれた禁断の理由とは

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本来、人間の肉体が腐敗していく九つの段階を描くグラフィックな宗教画は、僧侶が性の執着を断ち切る「不浄観」の修行用として制作された。肉体の美しさは一瞬の幻に過ぎず、死せば醜悪な塊へと姿を変える。その事実を脳裏に焼き付けるためのツールだったのだ。

しかし、近世の町人文化が華開くと、僧侶だけのものであったこの主題が世俗化する。そこで絵師たちが白羽の矢を立てたのが、吉原などの色街で美の象徴として君臨していた遊女たちだった。最高峰の美を体現する存在だからこそ、それが朽ち果てる落差が強烈な視覚的インパクトを生む。極上の美と直視に耐えない死の腐敗。この対比が、江戸の人々の美意識と好奇心を激しく刺激したのだ。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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