大気から炭素を消し去る「魔法の粉」——京都大・北川進が起こした気体革新と2026年グローバル争奪戦の真実
大気から炭素を消し去る「魔法の粉」——京都大・北川進が起こした気体革新と2026年グローバル争奪戦の真実に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。
話は1990年代にさかのぼる。当時の化学界における常識では、金属イオンと有機配位子を結びつけた多孔質構造は「もろくて崩れやすい」とされていた。気体を入れる空洞を作ろうとすれば、構造自体が自重で潰れてしまうのが通例だったのだ。
北川氏はその固定観念を根底から覆した。柔軟でありながら強固な骨格を保つ「柔軟性MOF」の合成に世界で初めて成功。分子サイズのジャングルジムとも例えられるこの三次元構造は、まるで呼吸するように穴を開閉し、狙った気体だけを正確に捉える。学会からの懐疑的な視線を跳ね返し、実験を重ね続けた執念が、化学の新領域「多孔性領域」を切り開いた。