少年Aの本『絶歌』が遺した波紋|出版理由・印税と現在の様子
少年Aの本『絶歌』が遺した波紋|出版理由・印税と現在の様子にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。
『絶歌』は大きく二部構成に分かれて執筆されています。全294ページに及ぶテキストには、加害者本人の自己顕示欲と独白が色濃く反映されていました。
【第一部:犯行に至る暗黒の心理と事件の記憶】
幼少期における祖母の死を契機とした生と死への執着、小動物の虐待、性的衝動と破壊衝動が歪んだ形で結びついていくプロセスが生々しい筆致で綴られています。1997年に引き起こした通り魔事件や、女児殺害、そして児童の首を切断して中学校正門に置くに至った異常な心理状態が、加害者自身の視点から細かく描写されました。
【第二部:医療少年院退院後の更生生活と孤独】
社会復帰後の仮名での生活、建設現場などでの就労、身元引受人や保護司との関係、周囲に過去を知られることへの怯えが語られます。自らの罪の重さに苦悩する姿を描く一方で、どこか自らを悲劇の主人公のように客観視するナルシシズムが随所に見受けられ、読者や評論家から「真の反省が見られない」との厳しい指摘が集中しました。