ウィリス動脈輪の役割と構造|脳動脈瘤の好発部位やMra画像の見方
ウィリス動脈輪の役割と構造|脳動脈瘤の好発部位やMra画像の見方を徹底追究! 読者が気になる トピックの裏側を分かりやすく展開します。
人間の脳は体重のわずか2%程度の重量しかありませんが、全身の酸素消費量の約20%、ブドウ糖の約25%を消費する極めてエネルギー要求の高い臓器です。わずか数分間血流が途絶えるだけで神経細胞が不可逆的なダメージを受けるため、脳には二重三重の血流バックアップ機構が備わっています。その中枢を担うのがウィリス動脈輪です。
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脳へ血液を送る主要ルートは、前方を走る左右の内頸動脈(全脳血流量の約8割)と、首の後ろを通って頭蓋内で合流する左右の椎骨動脈からなる脳底動脈(約2割)の合計4本が存在します。ウィリス動脈輪は、これら前後の動脈系を頭蓋底(大脳の底面)で環状に連絡させる血管の輪です。
最大の役割は「側副血行路(コラテラル)」としての機能です。例えば、動脈硬化などで片側の内頸動脈が狭窄・閉塞した場合でも、反対側の内頸動脈や後方の脳底動脈からこの輪を経由して虚血部位へ血液が迂回供給されます。17世紀の英国の解剖学者トーマス・ウィリス(Thomas Willis)が著書『Cerebri Anatome』で詳細に報告して以来、脳循環の安全弁として医学界で最も重要視されている構造のひとつです。