ブルータスお前もかの真相|カエサル暗殺と裏切りの名言を徹底解明
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「ブルータス」という名に関して、歴史愛好家の間でも見落とされがちな決定的な盲点が存在します。実は暗殺の現場には、もう一人のブルータスが存在し、カエサルにとってより深刻な裏切りとなっていた事実です。
一般に名言の相手とされるマルクス・ユニウス・ブルトゥスは、思想的な確信犯であり、かつて内戦でカエサルと戦ったポンペイウス派の生き残りでした。一方、暗殺計画の実行部隊において兵站や誘導を担った最重要人物は、デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌスという別の武将です。デキムスはガリア戦争においてカエサルの下で輝かしい武勲を立て、カエサルの遺言状でも「第二順位の相続人(主要相続人が不在の場合の養子)」に指名されていたほどの腹心中の腹心でした。
暗殺当日、体調不良を理由に議場への出席を躊躇していたカエサルを私邸まで迎えに行き、「元老院議員たちがあなたを待っている」と言葉巧みに議場へ連れ出したのは、他ならぬデキムスでした。仮にカエサルが「お前もか」と驚愕の声をあげたのだとすれば、それは敵対歴のあったマルクスに対してではなく、全幅の軍事的信頼を置いていた戦友デキムスに向けられたものであったとしても不自然ではありません。後世の文学作品がマルクスの悲劇性を強調した結果、デキムスの影が薄れ、二人のブルータスが混同されて語られるようになった経緯があります。