恐れられ愛された異形の正体とは?日本文化を彩る鬼の真相に迫る
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日本人に最も親しまれている昔話『桃太郎』もまた、鬼の捉え方の変容を象徴するテキストである。かつては単純な「勧善懲悪」の物語として子供たちに語り継がれてきたが、近代学術の誕生とともにその解釈は劇的な変化を遂げた。
日本民俗学の開祖である柳田國男や、その学術的基盤を継承した日本民俗学会の研究者たちは、桃太郎に登場する鬼ヶ島や鬼の正体について深く考察を展開した。彼らが指摘したのは、鬼とは漂泊の民や先住民族、あるいは鉱山技術を持った異能の集団であった可能性だ。征服される側からの視点を紐解くことで、日本社会が内包する多層的な歴史と、異者に対する恐怖と好奇心の相克が浮かび上がってくる。