『寄生獣』染谷将太の怪演とネトフリ出演の衝撃!名作の現在地
『寄生獣』染谷将太の怪演とネトフリ出演の衝撃!名作の現在地にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。
映画『寄生獣』において、染谷将太の演技力がいかんなく発揮されたのは「視線と身体性の緻密なコントロール」です。右手のミギーはフルCGで描かれるため、現場での撮影時は右手にテニスボールをつけたり、何もない空間を相手にしたりしながらの完全な一人芝居を強いられました。
染谷は後に当時の特番インタビュー等で「右手が勝手に動き、自分の意思とは無関係に他者を殺傷してしまう恐怖を肉体に染み込ませる作業は、精神的にも肉体的にも極限状態だった」と振り返っています。阿部サダヲのコミカルかつ冷徹なミギーの声と完璧にシンクロするテンポ感、そして右手を凝視する際の微細な瞳の揺れは、観客に「そこに確実にミギーが存在している」と錯覚させるほどの説得力をもたらしました。
とりわけ観客の胸を締め付けたのが、寄生された母親(余貴美子)に心臓を貫かれ、蘇生した後の「心と身体の変容」の描写です。母親の死を受け止めきれず涙を流せない絶望、感情が抜け落ちていく虚無感、そして同級生・村野里美(橋本愛)に対して見せる微かな人間性の揺らぎ。深津絵里演じるパラサイト・田宮良子との知性的な対峙シーンに至るまで、染谷将太の芝居は単なるアクションヒーローの枠を超えた人間存在の深淵を浮き彫りにしました。