手首の痛みは橈側手根屈筋?腱鞘炎との違いと治し方を徹底解説

手首の痛みは橈側手根屈筋?腱鞘炎との違いと治し方を徹底解説についての真相を徹底解説します。

手首の緻密な動きを理解する上で、前腕屈筋群の解剖学を避けて通ることはできません。前腕の前面には、手首や指を曲げる筋肉が層状に重なり合っており、橈側手根屈筋はその浅層(第1層)に位置する主要な紡錘状筋です。

まず押さえるべきは、橈側手根屈筋の起始停止です。起始部は上腕骨の内側上顆(共通屈筋腱)から始まり、前腕前面を斜めに横切って走り、手根管のすぐ外側にある独自の線維性骨管(大菱形骨結節の溝)を通過して、第2中手骨底(一部は第3中手骨底)の掌面に停止します。この斜めに走行する構造により、手首を手のひら側に曲げる「掌屈(屈曲)」だけでなく、親指側へ傾ける「橈屈(外転)」、さらには前腕を内側にひねる回内の補助動作を力強く生み出します。

続いて橈側手根屈筋の支配神経は、腕神経叢から起こる正中神経(C6〜C7)です。肘窩から前腕へと降りてきた正中神経から直接枝分かれして筋腹に分布しています。この支配関係は、手のしびれや脱力を伴う神経障害を鑑別する上で極めて重要な意味を持ちます。

臨床現場で比較対象となるのが、小指側を走る尺側手根屈筋との違いです。両者の大きな相違点を整理すると、尺側手根屈筋は尺骨神経支配であり、小指側の豆状骨や有鉤骨、第5中手骨底に停止して手首を小指側(尺屈)へ引き込みます。つまり、橈側手根屈筋と尺側手根屈筋は「手首を掌屈させる」という同一の目的を持ちながら、親指側と小指側で互いに手首のブレを相殺し、中間位を保つ拮抗・協調関係にあるのです。

自身の手首で位置を把握する橈側手根屈筋の触診方法は極めて明快です。手首を軽く握り、手のひら側に曲げながら親指側へクッと傾けると、手首のシワの中央やや親指寄りに硬く太い腱が一本浮き出てきます。これが橈側手根屈筋腱です。この腱のすぐ外側(親指側)には橈骨動脈が拍動しており、脈拍を測定する際の重要な解剖学的ランドマークにもなっています。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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