『かぐや姫の物語』帝のあごに秘められた衝撃の演出意図と真相
『かぐや姫の物語』帝のあごに秘められた衝撃の演出意図と真相の基本情報から最新動向までを徹底的にカバーしました。
ネット上で都市伝説のように語られる「作画スタッフのお遊び説」や「納期遅れによる作画崩壊説」は、完全なデマだ。高畑勲監督が求めたのは、単に美しい絵を動かすことではなく、登場人物の生理的な感情や人間関係の歪みを観客に直感させることだった。劇中、絶対的な権力者として登場する帝は、己の美貌と威光に絶対の自信を持ち、かぐや姫を我が物にしようと背後から強引に抱きすくめる。この瞬間、かぐや姫が覚えた強い生理的拒絶感、そして権力者の身勝手な欲望に対する恐怖を極限まで視覚化した結果があの異様な「あご」の造形だったのだ。
観客が抱く「うわ、なんだこのあごは」というギョッとする違和感こそが、まさにかぐや姫がその場で感じた心理的ショックそのものにほかならない。美男子として描かれがちな平安貴族の象徴を、あえて滑稽かつグロテスクなまでにデフォルメすることで、権力の傲慢さを一瞬で突きつける。演出意図を解き明かせば解き明かすほど、あのあごは計算し尽くされた表現の勝利であったことが見えてくる。