Mers治療薬の現在地|致死率35%の脅威に挑む最新医療と開発動向
Mers治療薬の現在地|致死率35%の脅威に挑む最新医療と開発動向の注目されている理由を丁寧にまとめました。全体像を一目で把握できます。
新型コロナウイルス治療薬が短期間で次々と実用化されたのに対し、なぜMERS治療薬の開発はこれほどまでに時間を要しているのでしょうか。その背景には、感染症特有の複雑なハードルが存在します。
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最大の障壁は、患者発生の散発性と地域的偏在です。MERSの感染報告はサウジアラビアをはじめとする中東地域に集中しており、散発的なアウトブレイクにとどまる傾向があります。新薬の有効性と安全性を検証するためには、数千人規模の患者を対象とした第III相臨床試験(フェーズ3)が不可欠ですが、対象となる患者を短期間で十分に確保することが極めて困難です。
さらに、市場規模の予測が立てにくいことから、製薬企業単独での巨額な研究開発投資が進みにくいという経済的側面もあります。現在は、感染症流行対策イノベーション同盟(CEPI)などの国際機関による公的資金援助を受けながら、研究チームが地道な開発を継続しています。