過労自殺から10年・電通高橋まつり事件が変えた労働現場の深層
今注目を集めている 過労自殺から10年・電通高橋まつり事件が変えた労働現場の深層について、主要な情報を分かりやすく掲載しています。
かつて深夜まで灯りが絶えず「不夜城」と揶揄されたオフィスは、大きな変容を遂げた。株式会社電通グループは、全社規模でのPC自動シャットダウンシステムの導入や、午後10時以降の原則残業禁止といった厳格な労働時間規制を運用している。かつてサービス残業の温床となっていた自己申告制の勤怠管理は排され、PCの操作ログに基づく客観的な労働時間追跡が定着した。
現場で働く中堅社員は「以前のように深夜までオフィスに残り、体力に任せて作業を続ける風土は完全に消えた。22時を過ぎると仕事が強制中断されるため、時間内に収めるためのタスク厳選が求められる」と話す。しかし一方で、個人の業務量そのものが十分に減っていない部署では、限られた時間内でこれまで以上の成果を要求される高密度なプレッシャーや、自宅への持ち帰り作業をめぐる潜在的リスクなど、制度と実務の間で生じる新たな歪みも指摘されている。表面的な制度改革を越えた「真の健全化」への探求は今も続いている。