広尾の静寂で出逢う至高の日本画!山種美術館の名品と鑑賞攻略
広尾の静寂で出逢う至高の日本画!山種美術館の名品と鑑賞攻略にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。
本展最大のハイライトは、国重要文化財に指定されている速水御舟の最高傑作「炎舞」の特別公開だ。暗闇のなかに妖しく立ち上る炎と、そこに群がる蛾の静けさは、一度目にすれば決して忘れられない強い磁気を放つ。御舟が軽井沢の地で夜な夜な焚火を見つめ続け、写実の果てにたどり着いた神秘的な世界観は、息をのむ美しさだ。
あわせて見逃せないのが、御舟のもう一つの不朽の名作「名樹散散」である。キャンバス全体に漂う静謐な空気感と、細部まで計算し尽くされた樹木の描き込みは圧巻の一言。これらの名作を鑑賞する際は、まず作品から3メートルほど離れて全体が醸し出す雰囲気を肌で感じ、その後にグッと近づいて緻密な線描と独自の質感に注目するのが、通な鑑賞の極意である。