旧古河庭園の洋館は見学予約なしで入れる?内部公開と喫茶室の全貌
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旧古河庭園の洋館がこれほどまでに高い評価を受け続ける理由は、日本近代建築の礎を築いた英国人建築家ジョサイア・コンドル(Josiah Conder)の集大成とも呼べる設計思想にあります。鹿鳴館や旧岩崎邸庭園、ニコライ堂などを手掛けたコンドルが、大正6年(1917年)に古河財閥の3代目当主・古河虎之助の邸宅として完成させたのがこの洋館です。
外壁には、神奈川県真鶴産の「新小松石(安山岩)」が贅沢に用いられています。野面石積み(のづらいしづみ)と呼ばれる技法で作られた外観は、イギリスのスコティッシュ・バロニアル様式(中世スコットランドの城郭風建築)を思わせる重厚かつ野趣あふれる佇まいを見せます。雨に濡れると黒味を帯びて石肌の陰影が深まり、晴天時とは全く異なる荘厳な表情を覗かせる点も建築愛好家の間で見逃せない見どころです。
内部構造には、当時の日本の富裕層や貴族階級の生活様式を反映した高度な工夫が凝らされています。1階は完全な洋風仕立てで、来客をもてなすための応接室、食堂、撞球室(ビリヤード場)が格式高く配置されています。一方で2階に上がると、外観の洋風石造りからは想像もつかない本格的な数寄屋風の和室が広がっています。
「昼間は洋館で公的な接客を行い、私生活の場では畳の上で寛ぐ」という、明治・大正期のエリート層の生活様式を完璧に具現化した構造です。洋風の外郭の中に伝統的な和の空間を寸分の狂いもなく調和させたコンドルの卓越した手腕は、大正期住宅建築の最高峰と称されるにふさわしい完成度を誇っています。