感染拡大を空気圧で防ぐ!陰圧室の仕組みと陽圧室との決定的な違い
感染拡大を空気圧で防ぐ!陰圧室の仕組みと陽圧室との決定的な違いの見逃せないポイントを一挙に解説しました。
医療施設で使われる特殊空調には、陰圧室と対をなす「陽圧室(ポジティブ・プレッシャー・ルーム)」が存在する。両者の違いを一言で表現するなら、「守る」ための空間か、「封じ込める」ための空間かという設計思想の完全な逆転にある。
陽圧室は、室内の気圧を外部よりも高く設定する。ドアを開けた際には室内の清浄な空気が外へ押し出され、外気に混ざった埃や雑菌の侵入を許さない。この構造は、骨髄移植後の免疫不全患者を収容する無菌病室や、患部が無防備になる外科手術室、あるいは製薬工場のクリーンルームなどで不可欠とされる。
対照的に、陰圧室は病原体を内部に封じ込め、周囲の環境を汚染から隔離するために作られている。気圧の高低というわずか数パスカルの差が、病室の持つ役割を正反対のものへと変貌させる。目的を取り違えた運用は重大な医療事故に直結するため、空調パネルのモニタリングは24時間体制で厳格に行われている。