習近平独裁の限界とアジア激震の裏側をジャーナリスト富坂聰が暴く
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強固に見える習近平体制の足元で、かつてない規模の摩擦熱が生じている。権力の過度な集中は意思決定の硬直を招き、地方幹部たちの間には責任回避と面従腹背が蔓延した。表面上は盤石な統制が敷かれているように見えても、内実は政策の齟齬と経済の減速に喘ぐ現場の悲鳴で満ちている。
富坂聰が現地関係者への独自取材で突き止めたのは、表舞台の外交辞令とは真逆のリアルだ。日中関係をめぐり、北京の政策決定層は決して一枚岩ではない。経済の失速を食い止めるために日本からの投資を喉から手が出るほど欲する実務派と、対外強硬姿勢を崩せない治安・宣伝部門との間で激しい主導権争いが繰り広げられている。メディアが煽る「全面対立」の図式だけでは、この複層的な権力の綱引きを見誤る。
水面下で進む実利主義的な駆け引きこそが、今後の東アジア情勢を左右する決定打となる。威圧的な示威行動の裏で、中国共産党がいかなる妥協点を模索しているのか。その機微を捉えきれない外交政策は、日本を深刻な戦略的リスクへと追いやることになる。