松任谷由実『ひこうき雲』の真実|同級生の死因と誕生秘話に迫る

松任谷由実『ひこうき雲』の真実|同級生の死因と誕生秘話に迫るの総合ガイドをご紹介します。専門的な知識が満載です。

シンガーソングライター・荒井由実の名を世に知らしめた記念碑的デビューアルバム『ひこうき雲』がリリースされたのは、1973年11月20日のことでした(シングル盤は同月5日発売)。当時まだ多摩美術大学の学生だった彼女ですが、表題曲である『ひこうき雲』の原型を書き上げたのは、なんと17歳の高校生(立教女学院高校在学中)の頃にまでさかのぼります。

幼少期からピアノやパイプオルガンに親しみ、プロコル・ハルムなどの洋楽ロックやクラシックに傾倒していた彼女は、従来の歌謡曲やフォークソングの文脈にはなかった洗練されたメロディセンスを開花させていました。自宅にあったアップライトピアノで静かに紡ぎ出された旋律は、同時代を生きていた若者たちの死生観を劇的に変えるほどの破壊力を秘めていたのです。

当時の日本のポピュラー音楽界は、政治的なメッセージ性の強いフォークソングや情念を描く歌謡曲が主流でした。その中にあって、死を感傷的に嘆くのではなく、青空に描かれた一筋の飛行機雲へと昇華させる私小説的で絵画的なリリックは、のちに「ニューミュージック」と呼ばれる新しい音楽潮流の決定的な号砲となりました。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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