70歳以上の障害年金は受給可能?新規申請の条件と老齢併給の裏側【2026】

70歳以上の障害年金は受給可能?新規申請の条件と老齢併給の裏側【2026】に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。今すぐチェックことができます。

では、障害年金へ切り替えることで、実際の生活設計やキャッシュフローはどのように変化するのでしょうか。元会社員で70歳、脳梗塞による半身麻痺で障害等級2級に該当したAさん(妻あり)をモデルケースに、受給額と手取りのリアルな試算を検証します。

【モデルケース:Aさん(70歳)の年金内訳】
・従来の老齢年金:老齢基礎年金 816,000円 + 老齢厚生年金 1,200,000円 = 年額合計 2,016,000円(全額課税対象)
・受給パターンの変更:「障害基礎年金2級(非課税)」+「老齢厚生年金(課税)」へ切り替え。

一見すると、障害基礎年金2級の額面は老齢基礎年金の満額と同額(約81.6万円)であるため、「額面の総額は2,016,000円のままで変わらないのではないか?」と思われがちです。しかし、ここに「非課税所得の魔術」が存在します。

障害年金は法律上、全額非課税所得として扱われます。そのため、税法上の所得計算において障害基礎年金の約81.6万円は完全に除外され、Aさんの課税所得は老齢厚生年金の120万円のみを基準に算出されることになります。公的年金等控除を差し引くと、合計所得金額が大幅に低下し、「住民税非課税世帯」の要件を満たす確率が極めて高くなります。

住民税非課税世帯になると、所得税や住民税がゼロになるだけでなく、以下の行政負担が連鎖的に圧縮されます:
・国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)の均等割・所得割の大幅軽減
・介護保険料の段階区分が下がり、年間数万円から十数万円の負担減
・高額療養費制度・高額介護サービス費の自己負担上限額の引き下げ(医療費・介護費の月額負担が劇的に圧縮)

額面の受給額が同じであっても、実質的な可処分所得(手取り額)ベースでは年間25万〜40万円前後の可処分所得増につながり、さらに過去5年分の遡及受給が認められた場合、約408万円(81.6万円×5年)の非課税一時金が一括で口座に振り込まれるという劇的な経済効果をもたらします。

知られざる落とし穴:障害年金支給停止の理由と加給年金の真相

一方で、手放しで喜べないシビアな制度トラップも存在します。それが「加給年金(配偶者加給)と振替加算の支給停止」です。

老齢厚生年金を受給している夫が65歳未満の妻を扶養している場合、年間約40万円の加給年金が上乗せ支給されます。しかし、年金の組み合わせ選択において全額を「障害基礎年金+障害厚生年金」にしてしまった場合、夫自身の老齢厚生年金に付随していた加給年金は受給できなくなります(障害厚生年金にも配偶者加給はありますが、等級が1級・2級に限定されます)。

さらに見落とせないのが、「令和4年(2026年)4月の法改正による加給年金支給停止ルールの厳格化」です。妻側が被保険者期間20年以上の老齢厚生年金や退職共済年金の受給権を得ている場合、たとえ妻が在職老齢年金等で全額支給停止になっていたとしても、夫側の加給年金が停止される仕組みへと是正されました。年金の組み合わせ次第では、世帯全体のキャッシュフローが意図せず目減りするリスクがあるため、申請前に年金事務所の試算窓口や社会保険労務士による事前の損益分岐点シミュレーションが不可欠です。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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