神経を抜いた歯の寿命は?数年で抜歯になる人と20年保つ人の差
神経を抜いた歯の寿命は?数年で抜歯になる人と20年保つ人の差について見逃せない ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。
「神経を抜いたはずなのに、噛むとズキズキ痛む」「歯茎が腫れて疼く」という症状に直面し、困惑する患者は少なくありません。そもそも神経が存在しない部位で感じる痛みの正体は何なのでしょうか。
神経のない歯が痛む原因は、歯そのものではなく、歯を取り囲む「歯根膜(しこんまく)」というクッション組織の炎症にあります。根の先端に膿が溜まる根尖病変や、歯周病菌の侵入によって歯根膜が圧迫されると、そこを通る神経線維が強い痛み信号を脳へと送ります。そしてもう一つ、臨床上最も警戒すべき痛みの原因が「歯根破折(しこんはせつ)」です。
神経を抜いた歯は、血管からの栄養供給が完全に断たれるため、水分やコラーゲンの柔軟性を失い、例えるなら「みずみずしい生木から、乾燥した枯れ木」へと変貌します。噛む衝撃を自ら受け止める弾力性を失った歯根に、日々の強大な咬合力が加わり続けることで、ある日突然ヒビが入り、真っ二つに割れてしまうのです。
では、歯根破折を防ぐ方法と理由はどう位置づけられるのでしょうか。有効な対策は明確に確立されています。
第1に、メタルコアからファイバーポストへの転換です。硬すぎる金属の芯棒は、強い力がかかった際にクサビのように歯根を内側から引き裂きます。ガラス繊維強化樹脂であるファイバーポストを用いれば、歯根の象牙質と同等のしなりを発揮し、過度な応力集中を分散させることが可能になります。
第2に、就寝時のナイトガード(マウスピース)装着です。睡眠中の無意識な歯ぎしりや食いしばりでは、体重の数倍に匹敵する100キログラム以上の破壊的な負荷が特定の歯にかかります。マウスピースによって物理的に圧力を逃がす処置は、破折防止において決定的な役割を果たします。