新選組結成の聖地・壬生寺の知られざる秘話と特別公開の全貌に迫る
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多くの人々に新選組の聖地として認知されているが、本質的な寺の歴史ははるかに古い。正しくは律宗大本山 壬生寺と号し、平安時代中期の正暦2年(991年)に快賢僧都によって開創された古刹である。鎌倉時代に円覚上人が復興して以来、仏教の戒律を守り伝える信仰の拠点として篤い崇敬を集めてきた。
その象徴ともいえるのが、国指定の重要無形民俗文化財である壬生大念佛狂言だ。一切の台詞を使わず、独特の面をつけた演者が身振り手振りだけで滑稽かつ教訓的な物語を紡ぎ出す。中でも素焼きの皿を舞台から次々と落として割り落とす「炮烙(ほうらく)割り」の迫力は圧巻で、厄除けの願いとともに割れる乾いた陶器の音が春の空に響き渡る。激動の時代にあっても途絶えることなく継承されてきた伝統文化は、この寺が持つもうひとつの偉大な顔だ。