うる星やつら最終回の結末と真相|あたるが好きと言わない本当の理由
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鬼ごっこの最中、ラムは涙ながらにあたるへ懇願していました。「『好きだ』と言ってくれれば、ツノを掴ませてあげる」と。たった一言、その四文字を口にするだけで、記憶喪失の恐怖から逃れ、即座にゲームを終わらせることができたはずでした。にもかかわらず、あたるは頑なに「死んでも言ってやるもんか!」と叫び、拒絶し続けました。
この行動は一見、あたるの身勝手な意地っ張りに映るかもしれません。しかし、その内面にはあたるという男の根源的なプライドと、不器用極まりない真実の愛が隠されていました。あたるにとって「好きだ」という言葉は、命の危機やゲームに勝つための「取引材料」に成り下がってはならない神聖な告白だったのです。
もしそこで「好きだ」と口にすれば、それは愛の告白ではなく「ラムの記憶を守るための妥協」であり、「状況に屈服した敗北の言葉」になってしまいます。あたるのモノローグに描かれた心情は、極めて純粋でした。言わなければ伝わらない関係ならそれまでだが、言葉という安易な記号に頼らずとも、自らの行動と執念でラムを取り戻すことこそが、あたるにとって唯一の誠意だったのです。
そして物語のクライマックス、ツノを掴んだあたるが放った決定的な一言が、この頑なな沈黙のすべてを証明します。
「忘れるもんか!言っとくがな、おれはお前の顔を忘れるほど薄情じゃねえぞ!」
そしてラムが「一生のうちに一回くらい言ってくれてもいいっちゃ」と泣きじゃくると、あたるはこう返します。
「いまわの際に言ってやる!」
「いまわの際(死ぬ間際)に言ってやる」という言葉は、裏を返せば「自分が息を引き取るその最期の瞬間まで、お前と添い遂げる」という生涯の誓約に他なりません。口先だけの甘い言葉を軽蔑し、残された人生の全時間をかけて証明し続けるという、少年漫画史において最も屈折し、かつ純度の高いプロポーズだったと言えます。