さつきの剪定時期を間違えると来年咲かない?失敗防ぐプロの極意

さつきの剪定時期を間違えると来年咲かない?失敗防ぐプロの極意の疑問点について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

サツキの手入れにおいて「剪定時期を間違えると花が咲かない」と言われる背景には、明確な植物生理学的メカニズムが存在します。その核心にあるのが、植物が翌春に向けた花の準備を始める花芽分化時期(かがぶんかしき)の存在です。

日本園芸協会や各地の農業試験場が示す植物生長サイクルによると、サツキは春から初夏にかけて開花を終えた後、初夏の日差しを浴びて新梢(新しく伸びる枝)を一斉に伸ばします。そして、7月上旬から8月上旬にかけての約1か月間、気温の上昇と日照刺激によって、伸びた新梢の先端部で葉になる細胞が「花になる細胞(花芽)」へと質的転換を遂げます。これがいわゆる花芽分化です。

問題は、肉眼ではその時期、先端の芽が「葉芽」なのか「花芽」なのか判別が極めて難しい点にあります。外見上は単なる新芽に見えるため、夏場(7月〜8月)に枝が暴れているからと刈り込んでしまうと、木が春先からエネルギーを注ぎ込んで形成した花芽を物理的にすべて切り落とすことになります。これが、さつき夏剪定の失敗原因として最も典型的な「花芽の誤切除」です。

一度花芽を切り落とされた枝は、慌てて二次生長として再び芽を吹きますが、8月後半以降に伸びた新梢にはもはや花芽をつける生理的成熟期間が残されていません。結果として冬を越した枝の先端からは葉ばかりが展開し、春を迎えても花が一輪も咲かない「葉勝ち」と呼ばれる現象に陥ります。サツキにおいて「花後すぐ」の剪定が絶対条件とされる理由は、花芽分化が本格化する前に新梢を分岐させ、分化した新梢に十分な光合成を行わせて充実した花芽を蓄えさせる猶予を確保するためです。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest