世界一まずい味の真相とは?悪臭と愛着が交錯する究極の食文化
世界一まずい味の真相とは?悪臭と愛着が交錯する究極の食文化に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。今すぐチェックことができます。
イタリア・サルデーニャ島には、世界で最も危険とも評される伝統的チーズが存在する。ペコリーノ・サルドにチーズバエの幼虫を繁殖させ、その消化酵素によって脂質を分解させてペースト状にするカス・マルツゥだ。スプーンですくうと、数ミリの生きたウジ虫が元気に飛び跳ねる。
衛生基準の観点から欧州連合(EU)では商業的な販売が厳しく禁止されているものの、島民たちにとってカス・マルツゥは決して手放すことのできない珍味・伝統食文化の結晶だ。幼虫が死んでしまうとチーズ自体が腐敗したと見なされるため、文字通り「生きている」状態で舌の上に乗せる。
口に含むと、燃えるような辛味と強烈な旨味が爆発し、胃袋の奥まで熱気が広がる。法律で禁じられようとも、闇ルートで高値で取引され、特別な宴席で振る舞われ続けるこのチーズは、文化の存続が近代的な衛生観念と時に鋭く衝突することを生々しく物語っている。