新生児ミルクの飲ませ方決定版!飲まない・むせる原因と助産師直伝の技
新生児ミルクの飲ませ方決定版!飲まない・むせる原因と助産師直伝の技の要点や背景をコンパクトにまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。
ミルク授乳を成功させる鍵は、母乳育児と同様に「ポジショニング」と「ラッチオン(くわえさせ方)」にあります。自己流の抱き方で首が不自然に曲がっていたり、哺乳瓶を垂直に突き刺すように持っていたりすると、赤ちゃんは苦痛を感じて哺乳を拒絶します。
日本赤十字社や各地の周産期母子医療センターで指導される助産師が教える授乳姿勢の基本は、以下のステップで構成されます。
- 上体を30〜45度に起こした「セミアップライト位」を保つ:赤ちゃんを完全に水平に寝かせた状態で飲ませると、ミルクが耳管を通って中耳炎を引き起こすリスク(ミルク性中耳炎)が高まり、誤嚥の危険も増大します。赤ちゃんの頭からお尻までが一直線になるよう腕全体で支え、やや起き上がった角度をキープします。
- 頭部と首の過度な前屈・後屈を防ぐ:大人が顎を胸に強く引いた状態、あるいは極端に上を向いた状態で水を飲むのが困難であるのと同様に、赤ちゃんの気道がまっすぐ確保されていることがスムーズな嚥下の絶対条件です。
姿勢が整ったら、次は哺乳瓶の角度とくわえさせ方です。乳首を赤ちゃんの口へ無理やり押し込んではいけません。乳首の先端で上唇や下唇をツンツンと刺激し、赤ちゃんが「アーン」と大きく口を開けた瞬間を見計らって、乳輪部分(根元)まで深くくわえさせます。このとき、赤ちゃんの上下の唇が外側にアヒルのように「めくれている」状態が正しいラッチオンです。唇が内側に巻き込まれていると密着が不完全になり、隙間から空気を大量に飲み込んでしまいます。
哺乳瓶の傾斜角度については、「乳首の先端から先端内部の空間が常にミルクで満たされている最小限の角度」を維持します。角度をつけすぎて瓶の底を高く持ち上げすぎると、ミルクの重力圧が強くかかりすぎて流量が過多になり、むせ込みの直接的な引き金となります。逆に角度が浅すぎると空気を吸ってしまうため、ミルクの液面と乳首の境目を常に観察しながら微調整を続ける繊細さが求められます。
授乳が終わった直後に必須となるのが、ミルク後のゲップの出し方です。胃の形状が大人と異なり「とっくり型(寸胴)」をしている乳児は、飲み込んだ空気を排出しなければ容易にミルクを吐き戻します。ゲップを出す基本姿勢は2通りあります。
- 縦抱きスタイル:赤ちゃんの顎を大人の肩にしっかり乗せ、お尻を片手で支えながら、もう片方の手で背骨の左側(胃の裏側あたり)を下から上へ優しくリズミカルにトントンと叩く、または下から上へ撫で上げる。
- 膝上座位スタイル:大人の太ももに赤ちゃんを横向きに座らせ、大人の手のひらで赤ちゃんの顎と胸を支えながら少し前傾姿勢を取らせ、背中を円を描くようにさする。
5分ほどアプローチしてもゲップが出ない場合でも、無理に叩き続ける必要はありません。その際は赤ちゃんの顔を横に向け、頭側を少し高くした体勢(右半身を下にする右側臥位など)で寝かせることで、窒息のリスクを効果的に回避できます。