安楽死の方法と分類を徹底解剖|尊厳死との違いや海外制度・日本の現在地
安楽死の方法と分類を徹底解剖|尊厳死との違いや海外制度・日本の現在地に関心がある方へ、迷わずに進められる 手順書をお届けします。
世界に目を向けると、一定の法的手続きと医療的要件を満たした場合にのみ、安楽死や医師幇助自殺を容認している国や地域が存在する。
2002年に世界で初めて包括的な法制度を施行したのがオランダ安楽死法である。オランダおよび隣国のベルギーでは、積極的安楽死と医師幇助自殺の双方が法制化されている。ただし無条件に認められるわけではなく、以下の厳しい注意義務基準(デュー・ケア基準)を満たさなければならない。
- 患者本人の自由意思による、熟慮された要請であること
- 患者の苦痛が耐えがたく、改善の見込みがない状態であること
- 病状と予後について患者に十分な情報提供が行われていること
- 合理的な代替医療手段が存在しないこと
- 少なくとも1名以上の独立した医師によるセカンドオピニオン(診察と文書での意見提示)を得ること
- 実施後、地域審査委員会への詳細な報告と事後検証を行うこと
対照的なのがスイス安楽死制度である。スイスでは刑法第115条において「利己的な動機がない限り、他者の自殺を幇助しても処罰されない」と規定されており、医師による積極的安楽死(直接投与)は違法だが、非営利団体を通じた医師幇助自殺の要件を満たした介助が行われている。医師は致死薬(主にペントバルビタールナトリウムなどのバルビツール酸系薬剤)の処方可否を厳格に医学的判断し、実際の服用は本人が行う。
このほか、カナダ(MAID制度)、スペイン、オーストリア、ニュージーランド、オーストラリアの一部州、アメリカの10以上の州(オレゴン州など)で医師幇助死の制度が整備されているが、いずれの地域でも「自己判断能力がある成人の終末期患者」であることが大前提とされている。