伊藤博文暗殺の真相|ハルビン駅の銃声と安重根の動機・黒幕説を追う
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伊藤博文を狙撃した人物は、朝鮮の独立運動家であった安重根(当時30歳)でした。彼は熱心なカトリック信徒であり、義兵闘争(反日武装闘争)に身を投じた経歴を持つ武官でもありました。
取り調べおよび裁判において、安重根は犯行の動機として「伊藤博文を暗殺すべき理由」を15箇条にわたって堂々と陳述しました。その主な内容は以下の通りです。
- 1895年の閔妃(明成皇后)殺害の首謀者であること
- 1905年の第二次日韓協約(乙巳保護条約)を強制し、大韓帝国の主権を奪ったこと
- 大韓帝国の高宗皇帝を強制的に退位させたこと
- 罪のない朝鮮の民衆を虐殺し、東洋の平和を乱したこと
安重根にとって、伊藤は「大韓帝国の主権を奪い去った元凶」そのものでした。彼は法廷において単なるテロリストではなく「大韓義軍参謀中将」という軍人の立場で、国家の独立を守るための交戦として伊藤を処断したと主張しました。彼が獄中で執筆した未完の著作『東洋平和論』には、日清韓の3国が対等に連携して欧米列強に対抗すべきだという独自の理想が描かれていました。
しかし、皮肉にも安重根が抱いていた伊藤像と、実際の日本政府内での伊藤の立ち位置には決定的な認識のズレが存在していました。