鎌倉ハム発祥の真実|村井商会のルーツと富岡商会との決定的な差

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スーパーの棚を見渡すと、神奈川県の大船だけでなく、愛知県名古屋市(鎌倉ハムクラウンなど)をはじめとする他地域にも「鎌倉ハム」を冠するメーカーが存在することに気づきます。この背景には、大正から昭和初期にかけて勃発した商標権を巡る法廷闘争と時代の荒波がありました。

大正時代に入ると、「鎌倉ハム」の知名度の高さにあやかろうと、全国各地で模倣品や無許可の同名商品が乱立する事態が発生しました。これに対し、村井商会や富岡商会を中心とする地元鎌倉・大船の製造業者たちは製造組合を結成し、商標権の防衛と品質基準の統一に乗り出します。

しかし、裁判所が下した判断は「『鎌倉ハム』は特定の企業の商標ではなく、独特の製法で作られたハムを指す普通名詞(普通名称)である」というものでした。この判決によって、鎌倉の地で発祥した伝統製法を学んだ職人たちが全国へ移住・独立して設立した工場でも「鎌倉ハム」を名乗ることが法的に認められることになったのです。

さらに第二次世界大戦下の物資統制令により、民間のハム製造業者は一時的に統合・休業を余儀なくされます。戦後、統制が解除されると各社は再び独立した道を歩み始め、結果として全国に複数の「鎌倉ハム」ブランドが並立する独特の産業構造が完成しました。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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