和三盆の産地はなぜ四国だけ?徳島・香川に伝わる伝統の真実
和三盆の産地はなぜ四国だけ?徳島・香川に伝わる伝統の真実について徹底解説いたします。専門家の見解をご覧ください。
和三盆糖の生産地は、日本全国を見渡しても徳島県北部の阿波地域(上板町・阿波市など)と、香川県東部の讃岐地域(東かがわ市など)に集中しています。この2つの地域は、いずれも中央にそびえる讃岐山脈を挟んで南北に隣接しており、国内でも極めて特殊な自然条件が揃ったエリアです。
熱帯性の植物であるサトウキビが、温帯に属する四国で育つ理由は、瀬戸内海特有の温暖で雨が少ない気候と、讃岐山脈から吹き下ろす乾いた風、そして吉野川水系や山麓がもたらす水はけの極めて良好な砂質・扇状地土壌にあります。南西諸島で育つ一般的な大型サトウキビとは異なり、四国の痩せた土壌と厳しい寒暖差のなかで育つ在来種「竹糖」は、過酷な環境だからこそ過剰な糖度蓄積を起こさず、繊細で上品な独特の蜜分を蓄えます。
他県での栽培実験が過去に幾度も行われながら定着しなかった歴史を振り返っても、四国東部の気候風土そのものが和三盆を生み出す絶対的な条件であったことが分かります。