コチの捌き方完全ガイド!危険なトゲ処理から絶品薄造り・アラ汁まで

コチの捌き方完全ガイド!危険なトゲ処理から絶品薄造り・アラ汁までの要点や背景をコンパクトにまとめました。全体像を一目で把握できます。

歩留まりが3割強しかないコチを捌いた後、まな板の上に残る巨大な頭部、中骨、カマ、そして内臓。これらをゴミ箱に捨てるのは、魚料理人から見れば最大の損失である。コチの真髄は骨周りから滲み出る濃厚な出汁と、知る人ぞ知る希少部位の珍味にある。

まず押さえておきたいのが、コチのアラ汁・潮汁レシピだ。頭部は出刃包丁で縦真っ二つに割り、中骨は一口大に叩き切る。ボウルに並べて全体に熱湯を回しかけ、すぐに冷水に取る「霜降り」処理を施す。熱で固まった表面の血の塊、取り残したウロコ、黄色い酸化油を指先で徹底的に洗い落とす。この一手間を省くと生臭さが汁に移ってしまう。

鍋に水、昆布、酒、そして下処理したアラを入れ、弱火でじっくりと加熱する。沸騰直前に昆布を取り出し、沸き立つ灰汁(アク)を丹念にすくい続ける。骨の髄からゼラチン質と白濁した極上の出汁が溶け出したら、味付けは極少量の天然塩と薄口醤油のみで仕立てる。コチの骨から出た力強い旨味だけで成立する潮汁は、一口含むだけで全身に染み渡る滋味深さを持つ。夏場であれば、ここに生姜汁や刻みミョウガを落とすことで、清涼感あふれる逸品となる。

さらに見逃せないのが、コチの肝と胃袋の食べ方だ。鮮度の良いマゴチの肝(キモ)は、アンコウの肝にも匹敵する極上のコクを宿している。苦玉を潰さずに取り出した肝を優しく水洗いし、酒を振ってから熱湯でさっと湯引きして氷水に取る。これをポン酢で和えれば、舌の上でとろける濃厚な酒の肴になる。

また、胃袋は縦に切り開いて内容物を完全に洗い流し、粗塩で強く揉んでぬめりを落とす。熱湯で1分ほど茹でて冷水に取った後、細切りにしてポン酢と小ネギで合わせる。ミノや砂肝を思わせる独特のコリコリとした歯ごたえは、釣り人や料理人だけが独占してきた究極の裏メニューである。初夏に抱卵しているメスの卵巣(たまご)も、甘辛く生姜とともに煮付けることで、プチプチとした食感が楽しめる絶品おつまみとなる。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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