年収1000万で住宅ローン8000万は無謀か?審査通過後の罠と真相
年収1000万で住宅ローン8000万は無謀か?審査通過後の罠と真相に関する疑問や疑問点をわかりやすくまとめました。詳細を読もうことができます。
都市部のモデルルームや大手仲介業者のカウンターでは、「お客様の年収であれば、8000万円はもちろん、場合によっては1億円まで問題なく審査に通ります」というセールストークが日常的に飛び交っています。事実、大手メガバンクやネット銀行の審査基準において、世帯年収1000万円に対する住宅ローンの借入可能額は年収倍率で8倍から10倍程度に設定されており、8000万円の融資承認を得ること自体は難しくありません。しかし、ここに多くの購入者が陥る最初の落とし穴が存在します。
「融資審査に通る金額」とは、金融機関が「貸し倒れリスクを許容できる上限値」に過ぎず、購入者が「文化的な生活を維持しながら無理なく返せる金額」とは全くの別物です。ネット上で「年収1000万 住宅ローン8000万円は無謀」「審査通過後に返済地獄が待っている」と囁かれる最大の要因は、年収1000万円の手取りと返済比率における決定的なギャップにあります。
日本の税制は累進課税を採用しているため、年収1000万円といっても手元に残る手取り額は年間約700万〜730万円程度に留まります。ボーナスを考慮せず12分割した場合、月の実質手取りは約45万〜50万円前後です。仮に8000万円を35年返済、変動金利0.7%で借り入れた場合でも、毎月の返済額は約21万5000円。これに毎月の修繕積立金や管理費、固定資産税の按分(月額約4万〜6万円)を加算すると、住居関連費だけで毎月27万円前後が吹き飛ぶ計算になります。
手取り50万円のうち半分以上が住居費に固定化される生活は、数字上すでに危険水域です。「年収1000万円もあるのだから多少の贅沢はできるはずだ」という心理的バイアスが消費水準の引き下げを阻み、車の維持費や交際費、レジャー代が加わることで、毎月の貯金が完全にストップする「資産形成の麻痺状態」へと引きずり込まれていきます。